佐保川の桜 ー 春のなごりと新緑の調べ
奈良・佐保川の桜並木が、春から初夏への美しい移ろいを見せています。淡いピンクの花びらがまだ枝に残り、そこに若葉の緑が優しく溶け込んで、春と初夏が同居するような景色が広がっています。
緩やかに流れる佐保川の水面には、散り際の花びらがふわりと浮かび、静かに流れていきます。まるで桜が別れを惜しみながら、次の季節へと橋を渡っていくかのようです。
満開の華やかさも魅力的ですが、こうして桜が名残を残しながら若葉にバトンを渡していく姿には、また違った趣があります。生命の循環を感じさせるこの風景の中で、私たちもまた、季節の流れに心を委ねてみるのもよいかもしれません。
やがて桜のピンクは消え、緑が風にそよぐ頃、佐保川はまた新しい表情を見せてくれることでしょう。