抑える力」が人を守る
ノーベル賞・坂口志文さん(大阪大学特任教授)の発見と、住環境治療学の共通点 ―
今年のノーベル生理学・医学賞を受賞された坂口志文さん(大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授/名誉教授)。
免疫の暴走をおさえる「制御性T細胞(Tレグ)」を発見されたことが評価されました。
免疫は本来、体を守る力。
でも、その力が強すぎると、かえって自分の体を攻撃してしまうことがあります。
坂口さんは、その「抑える力」こそが、人を健康に保つ鍵だと示されました。
私はこれを聞いて、私の得意とする“住環境治療学”を頭にうかべました。
家も同じです。
光が強すぎても、風が通りすぎても、刺激が多すぎても、人は疲れます。
一方で、ちょうどよい温度・湿度・明るさ・静けさの中では、人の体は自然と整っていく。
つまり、家や庭の環境にも「制御性T細胞のようなバランスの知恵」が必要なのです。
坂口さんの研究は、体の中の治癒力を、
私の住環境治療学は、暮らしの中の治癒力を。
どちらも、“抑える力”が人をげんきにするという点で、同じ方向を向いているように思います。 CEO村上雅昭