住まいと庭の かかりつけ相談室── 工事の前に、これからの暮らしを診る ─
12月28日コラム
年の瀬になると、
「この家で、あと何年暮らすんやろう」
そんな言葉が、ふと口をついて出ることがあります。
壊れているわけではない。
住めなくなったわけでもない。
けれど、
なんとなく疲れが取れない。
朝が重たい。
庭に出る回数が減った。
片づけようと思う気が起きなくなった。
こうした“違和感”は、
設備の寿命ではありません。
図面にも載らない、
暮らしそのもののサインです。
私たちのところへ来られる方の多くは、
最初から「工事をしたい」と言われるわけではありません。
「まだ急いでないんですけど…」
「売られるのは、ちょっと苦手で…」
そう言いながら、
これから先の暮らしを、
どう考えたらいいのか分からずに来られます。
だから私たちは、
いきなり工事の話はしません。
住まいと庭を、
**いまの暮らしを診る“環境”**として、一緒に見直します。
眠りはどうか。
動線は無理をしていないか。
光は、朝と夜でちゃんと役割を果たしているか。
お風呂やキッチンが、
体を休ませる場所として働いているか。
── 直す前に、診る。
── 買う前に、気づく。
それが、
「住まいと庭の かかりつけ相談室」です。
年末は、
何かを決断する時期ではありません。
ただ、立ち止まっていい時期です。
この家で、
これからどんな時間を過ごしたいのか。
何を守り、
何を手放していきたいのか。
その整理ができたとき、
必要な工事は、自然と見えてきます。
来年もまた、
ともかく、げんきに暮らすために。
工事の前に、
これからの暮らしを、
一緒に診るところから始めましょう。
