令和8年3月18日「整う前に、解き放つ」
「整う前に、解き放つ」
三月も後半に入り、
庭の空気が少しやわらいできました。
冬のあいだ固く閉じていた土も、
ゆっくりとほどけるようにやわらぎ、
芽が動きはじめています。
この時期になると、いつも思います。
人も同じだな、と。
私たちはつい、
「整えよう」とします。
きちんとしよう。
ちゃんとしよう。
正しくしよう。
けれど本当は、
整う前に、
まず「解き放つ」ことが大切なのかもしれません。
朝の光を取り入れること。
窓を開けて風を通すこと。
庭に出て、土や植物にふれること。
それだけで、
体も心も少しずつほどけていきます。
住まいも同じです。
すべてを新しくしなくてもいい。
ほんの少し
光を入れる。
風を通す。
庭とつなぐ。
それだけで
「ここにいると、なんだか元気になる」
そんな空間は生まれます。
私たちが大切にしているのは、
何かを足すことだけではありません。
本来あったものを取り戻し、
暮らしを「解き放つ」ことです。
春は、はじまりの季節です。
整える前に、まず解き放つ。
その先に、
本当の心地よさがあるのだと思います。
リファイン京田辺
アルス株式会社
住環境学研究者
建築家・作庭家
代表取締役 村上 雅昭
