秋の空に、鱗雲(うろこぐも)
空を見上げると、魚のウロコのように小さな雲が整列していることがあります。これが「鱗雲」。正式には「巻積雲(けんせきうん)」と呼ばれる、高い空にできる雲です。
鱗雲は、秋の空を代表する雲のひとつ。空気が乾いて澄んでくる季節に、いっそうくっきりと浮かび上がります。その姿は秋の訪れを告げるサインでもあり、昔から「鱗雲が出ると数日後に雨」といわれ、天気の変化を知らせる合図としても親しまれてきました。
季節の移ろいを知らせるのは、暦だけではありません。日々の空の表情に気づくことも、心を豊かにしてくれる暮らしの知恵です。忙しさの合間にふと空を見上げ、鱗雲を見つけたら──「秋がやってきたな」と感じてみませんか。