くらしの定期便 ─ 10月30日号
刻々と変わっていく夕焼け
── 目が離せない。
秋しぐれ 茜をのこし 風やさし
(くらし彩時記)
夕方五時を過ぎるころ、
空が少しずつ朱に染まりはじめました。
オレンジ、桃色、紫、そして群青へ。
ほんの数分のあいだに、
光がまるで呼吸をするように変わっていきます。
庭のミモザの影がのび、
軒下の風鈴が、ひとつ音を立てました。
今日という一日が静かに終わっていく。
その瞬間を見届けることが、
いつのまにか私の日課になっています。
あわただしい毎日の中で、
ただ空を見上げる時間を持つ──
それだけで、心がふっとやわらぎます。
明日もきっと、いい日になる。
そんな確信をくれるのが、
この季節の夕焼けです。
