暮らし彩時記 ──ハロウィンの夜に
10月31日、ハロウィン。
本来はケルトの暦で「一年の終わり」を意味する日だという。
秋の収穫を祝い、火を灯して祖霊を迎える──日本でいえば、お盆と大晦日を合わせたような行事だ。
夜になると、子どもたちの声が街をにぎわせる。
けれど本当のハロウィンは、静かに“火を囲む日”でもある。
電気を消し、キャンドルをひとつ灯してみるといい。
ゆらめく炎のリズムに合わせて呼吸が深くなり、
日々の慌ただしさが、ゆっくりと遠のいていく。
ハロウィンの橙色は、太陽の名残の色。
明日から始まる冬に備えて、心と体をあたためる光だ。
庭のハーブを少し摘み、温かな湯に浮かべるだけでも、
からだの芯が“げんき”を取り戻す。
一年の区切りに、静かな灯を。
それが、私たちの暮らしのハロウィン。
 
			