〈季節のコラム|11月24日命は細胞 細胞は住環境で左右される
命は、細胞。住まいは、その環境。**
朝夕の冷え込みが深まり、
庭の木々が静かに冬の装いへと変わりはじめました。
ふと、今日見たNHKの番組で、こんな言葉が心に残りました。
「生命は、細胞の働きで成り立っている。
その細胞は“環境”しだいで元気にも弱りもする。」
温度、光、湿度、音、空気の質。
ほんの少しの違いで、細胞は活発にもおとなしくもなるそうです。
これは、私たちの暮らしとまったく同じです。
朝の光がしっかり入る家は、
体内時計が整い、眠りも目ざめもラクになります。
脱衣所や浴室が冷えていれば、
細胞はこわばり、血流が落ち、ヒートショックの危険が高まります。
逆に、あたたかさ・光・香り・風の巡りが整っている住まいでは、
細胞が“よろこぶ環境”が自然と生まれ、
心も体も軽く、げんきに動けるようになります。
認知症の研究でも、
光・温度・音・香り・庭の緑といった“環境刺激”が
脳細胞の働きを守り、衰えをゆるめることがわかっています。
つまり――
私たちは「住まいに育てられ、元気にしてもらっている」
と言っても過言ではありません。
細胞がよろこぶ住まいに整うと、
年齢に関係なく、毎日がすこしずつ楽になります。
今日の暮らしは、明日のあなたの細胞をつくります。
季節が冬へ向かうこの時期、
住まいの“環境”を、いま一度見つめてみませんか。
リファイン京田辺
住環境学研究者/建築家/作庭家
村上 雅昭
