スタッフブログ

キンモクセイの香り 

真夏日が長くつづき、ようやく朝晩に涼しい風がまじるころ──
訪問先のお庭で、ふと金木犀の香りが風にのって漂ってきました。

今年は少し遅咲きだったようです。
やさしく甘い香りに包まれると、
どこか懐かしく、心がほどけるようでした。

「金木犀(きんもくせい)」という名前は、
“金”──花の色が黄金色(こがねいろ)であること。
“木犀”──幹の肌が、**動物のサイ(犀)**の皮膚のように
ごつごつしていることから名づけられたのだそうです。

ほんの短いあいだしか咲かないのに、
その香りは季節をたしかに秋へと導いてくれます。
やわらかな香りに包まれて、
これで今日も、深い眠りにつけます。  

暮らしで治す ─ 生涯げんき仕様という処方箋(第4回)

植物で治す ─ 緑が“呼吸”を教えてくれる


◆ 植物は、暮らしの“呼吸器”です

私たちは1日に約2万回、呼吸をしています。
しかし、住まいが乾燥し、空気がよどむと、
その呼吸は“浅い呼吸”になり、心も体も疲れやすくなります。

そんなとき、**植物が空気を整える“もうひとつの肺”**になります。
葉の裏で二酸化炭素を吸い、酸素と水分を放ち、
部屋の湿度や静電気までやさしく調える。
それは、機械では再現できない「自然の換気装置」です。


◆ 緑があると、人の呼吸が深くなる理由

植物の緑色(波長550nm前後)は、
人の脳波をアルファ波へ導き、心拍を安定させます。
だから、観葉植物を置くだけで
「なんだか落ち着く」「気持ちが静まる」と感じるのです。

また、葉から放たれる**フィトンチッド(樹木精油成分)**には、
免疫細胞を活性化し、睡眠の質を上げる作用があります。
つまり、植物のある暮らしは、
**深い眠りと、安定した呼吸を取り戻す“自然療法”**なのです。


◆ 生涯げんき仕様の植物設計

家と庭のあいだに「緑の呼吸線」を設けることで、
風と香りが家の中をめぐり、
季節のうつろいを感じながら深呼吸できる。

  • 玄関:シンボルツリーで“帰宅スイッチ”を。

  • リビング:日差しをやわらげる観葉植物を窓辺に。

  • 寝室:ラベンダーやジャスミンで眠りを誘う香りを。

  • テラス・庭:ローズマリーやミントで朝の覚醒をサポート。

これらを「感性で選ぶ」のではなく、
“呼吸の質を整える設計”として配置するのが、生涯げんき仕様の考え方です。


植物は飾りではありません。
それは、空気とともに生きる“もうひとりの住人”です。
緑が呼吸を教えてくれる家は、
人の心を整え、眠りを深くし、
明日を迎える力を静かに育ててくれます。    

そうそう、これこれからはじまるリファイン!

今、世の中にはたくさんの「そうそう、これこれ。」があふれている。
ピンタレストやSNS、インスタグラムの画面を眺めながら、
「これ、かわいい」「こんな家に住みたい」と心が動く瞬間──
それもたしかに“これこれ”のひとつかもしれない。

けれど、それは**「誰かの好み」であって、「あなたの好み」ではない。**
その写真の中に写っているのは、
あなたの感性ではなく、誰かの暮らしの一部にすぎない。

そんなものを真似したところで、
あなたの中にある“ほんとうのこれこれ”には届かない。
むしろ、真似をするほどに、一番大切な人を見失っていく。

家づくりとは、他人の正解をなぞることではなく、
あなたの心の奥に眠っていた記憶をもう一度目覚めさせること。
朝の光の角度や、風の通り道、木陰の涼しさ。
その一瞬の心地よさが、「あなたのこれこれ」なのだ。

家づくりとは、あなたが「あなたを取り戻す」ための旅でもある。
父が布を洗い張りして“人を戻した”ように、
私は住まいを通して“人をげんきに戻す”仕事をしている。

だからこそ、家を直すのではなく、暮らしを治す。
設計とは、図面を描くことではなく、
人がもう一度、自分に戻るための呼吸を整えること。

そして私は今日も、
お客様と、職人と、阿吽の呼吸で“ごいっしょに”、
その住まいをつくっている。

──ピンタレストやSNSを見て「これがいい」と言うあなたに、
「じゃあ、それを真似しましょう」と勧める職人や会社があったなら、
どうか立ち止まってほしい。
それは、あなたの“心の呼吸”を奪う行為だから。

誰かの真似ではなく、あなた自身の暮らしの声に耳をすますこと。
そこからしか、本当に大切な人を幸せにする住まいは生まれない。

──だから、私は「ライフスタイルフィット診断プラス」を開発した。
言葉にならない“あなたのこれこれ”を見える化し、
光・風・香り・温度・素材へと翻訳するために。
それが、あなたを取り戻す設計の第一歩なのだ。

もし今、
「うまく言葉にできないけれど、もう少し自分らしく暮らしたい」
そんな想いが少しでもあるなら──
どうぞ一度、私に話してみてください。

図面の前ではなく、
あなたの“心の前”に座って、
ゆっくりと“これこれ”を見つける時間を、ごいっしょに。  代表 村上雅昭 

暮らしで治す ─ 生涯げんき仕様という処方箋(第3回)

“上り下り”がつくる深部体温と幸せホルモン。

家の中の上下移動は、じつは幸せホルモンを生み出すスイッチです。
階段を上るとき、足の筋肉が血流を押し上げ、脳に酸素と温もりを運びます。
この小さな温度変化が、セロトニンやエンドルフィンといった
“心を安定させるホルモン”の分泌を促し、
気分を前向きに、そして穏やかに整えてくれるのです。

私たちは、こうした身体の仕組みそのものを設計に取り入れた家づくりをしています。
無理なく上り下りできる段差、途中で一息つける踊り場、
そして手すりや照明の高さまで、人の“呼吸のリズム”に合わせてデザイン。
それは、ただのバリアフリーではなく、**「げんきを育てる住まい」**です。

「もう階段はいらない」ではなく、
「階段を、げんきの道に変えませんか?」──
そんな提案から、“暮らしで治す”家づくりが始まります。
設計のご相談は、どうぞお気軽にお声かけください。
一人ひとりの体調や年齢に合わせて、あなた専用の生涯げんき仕様をご提案します。

                                                               住環境治療学研究者 建築家 作庭家 代表 村上雅昭

暮らしで治す ─ 生涯げんき仕様という処方箋(第2回)

階段は“危険”ではなく、“元気をつくる運動器”である。

「階段は危ないから平屋に」と言われることが多いですが、
本当は、**階段こそが体を治す“運動器”**です。
一段一段を上ることで、ふくらはぎの筋肉がポンプのように血液を押し上げ、
脳と心臓を同時に刺激します。
“生活筋肉”と呼ばれる太ももやお尻の筋肉が動くたびに、
全身の血流が整い、自然と深部体温が上がります。

手すりをつけ、段差や照明を整えれば、
階段は“危険な場所”ではなく、“元気をつくる装置”に変わります。
暮らしの中に“ちょっとした上り下り”を残すこと──
それが、医療や介護に頼らずに長く歩ける体を育てる、
生涯げんき仕様の第一歩なのです。

急な階段改善します。

連絡お待ちします。 住環境治療学研究者 建築家・作庭家 代表 村上雅昭 

高市早苗さん 内閣総理大臣に就任おめでとうございます!

本日、衆参両院の首相指名を経て、高市早苗さんが第104代内閣総理大臣に就任されました。2002年、私どもが京都府木津川市加茂町で「認定NPO法人 夢街道国際交流子ども館」を始動した折、オープンセレモニーにご臨席いただき、私の隣でご挨拶されたことを今も鮮明に覚えています。小柄なお身体から放たれる強い眼差しと、子どもたちへのまっすぐな言葉――その“人の輝き”が今日の歴史的な就任に結びついているのだと、深い感慨を覚えます。心よりお祝いを申し上げるとともに、地域から日本を元気にする取り組みを、私たちも一層進めてまいります。

                                         代表 村上雅昭

もうすぐ定員に達します。残り2席

家をリフォームする前に、まず“自分の暮らし”を整える。
その第一歩が、「見つめ直し隊」の活動です。
光の入り方、風の通り道、夜の照明の色。
どれもあなたの健康と幸福に深く関わっています。
ここから、新しい生涯げんきの暮らしが始まります。

11月8日の秋の薔薇散策 イギリスの庭散策の旅 

詳しくは をご覧ください

 

庭で治す

人は、土と光にふれると落ち着きます。
朝、バラやハーブに水をやる。
その時間が、体内時計を整え、ストレスをほどく処方箋になります。

庭に風の通り道をつくり、
窓辺に香る草花を植えると、家の中にも“自然の呼吸”が生まれます。
それが、眠りと覚醒のリズムをそっと導くのです。

し◆ポイント:今の季節は、鉢植えにバークチップを敷いて霜よけを。
ハーブを一株だけでも玄関に置くと、冬の訪れをやさしく感じられます。


◎まとめ

住まいと庭は、心と体の治療室です。
幸せが宿る仕掛けをつくれば、
人は自然と“げんきホルモン”を分泌し、
暮らしがそのまま処方箋になる。
それが「暮らしで治す」という考え方です。

父の背中で教わったこと

「お客様の言葉にならない想いをどう形にできるか」
「自分の技をどうすれば、その人の幸せにつなげられるか」
――私は、父からそう教わりました。

父は、弟子を常に十人抱える洗い張り職人でした。
職人たちは皆、住み込み。
だから私も、寝食を共にしながらその背中を見て育ちました。
朝早くから晩まで、水と布に向き合い、
黙々とアイロンをあてるその姿に、
“正直に生きる”という言葉の意味を見た気がします。

「うそをつくな。正直にいきろ。」
それだけは口で伝えられ、あとは背中で覚えろという人。
肥えた人には肥えた人の、痩せた人には痩せた人の
体の線を思い浮かべながら仕上げていく。

その丁寧な手仕事が、弟子たちに自然と受け継がれ、
やがて“阿吽の呼吸”のような関係を生んでいきました。
言葉ではなく、息づかいで伝わる世界――
それが、私の職人としての原点です。

親戚中が工務店という環境に育ち、
私の中には自然と“つくる血”が流れています。
図面を描き、現場に立ち、手を動かす毎日が、
私にとって何より楽しい時間です。


本物の職人とは

職人の好みでつくるのは芸術家。
依頼主まかせでつくるのは作業。
そのどちらでもなく、
双方の呼吸をあわせて「作品」をつくる――
それが本物の職人です。

お客様の想いをくみ取り、
自分の技と誠実さで形にしていく。
その“呼吸の合う瞬間”こそが、
ものづくりの喜びであり、私の原点です。

父と弟子たちの“阿吽の呼吸”の中で育ったように、
いまも私は、現場の職人衆と共に呼吸を合わせながら、
暮らしを丁寧に整えています。

その誇りを胸に、今日も正直に、
暮らしをつくり続けています。

代表 村上雅昭

暮らしで治す ─ 生涯げんき仕様という処方箋(第1回)

住環境学研究者・建築家・作庭家 代表 村上雅昭

「病気は“家”や“庭”からもやってくる」

「体の不調は年齢のせい」と思い込んでいませんか。
しかし、寒い浴室・暗い廊下・湿った庭・風の通らない部屋──
実はこうした住まいと庭のあり方そのものが、体の不調を引き起こす原因になることがあります。

血圧の乱高下、眠れない夜、うつ気分、肩こり、アレルギー。
これらは「体の問題」ではなく、「暮らしの設計不良」から起きているケースが少なくありません。

私はこれを「暮らしの病」と呼んでいます。
薬や通院では治らないけれど、暮らし方を整えることで自然治癒力が戻る病です。

生涯げんき仕様という“処方箋”

病院で治すのではなく、暮らしで治す──。
その考え方を具現化したのが、私が提唱する「生涯げんき仕様」です。

光の入り方、風の抜け方、段差や温度差、香りや音の質感。
それらを一つひとつ丁寧に整えることで、
心も体も、自然に回復へと向かっていきます。

次回からは、「お風呂」「寝室」「庭」「照明」「収納」など、
実際の事例を交えながら、“暮らしで治す”ための具体的な方法を紹介していきます。


次号(第2回)では、
階段は“危険”ではなく、“元気をつくる運動器”である」を掲載します。

お楽しみに

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